「カホール・ラバン」エッセイ集
55.報道とは何か−その3
イラクで、日本人3名が拉致されたというニュースを聞いた瞬間、なにか漠然とした疑問を感じた。
そして、あの映像を見た瞬間、私は吹き出して笑ってしまった。たまたま友人宅にいたのだが、友人らも「何これ? 作り物じゃないの」とケラケラ笑い出した。
相手はアラブ・イスラムである。
自衛隊撤退と交換条件などという奇妙な注文を付けるだろうか。一体、彼らが自衛隊とどういった接点を持っているというのか? 欲しいのは金である。そのくらい誰が聞いたって分かるだろう。
通常のイスラムの拉致といったら、3人いればそのうちの1人に対して、殴り倒すか傷つけるか殺す。そしてその姿を晒して脅迫(交換条件)を始める。女性なら間違いなく集団レイプされているはずだ。
1週間後、彼らが出てきた。やらせであることを裏付けるような手紙が出てきた。
>「日本で自衛隊のイラク派遣に反対する世論が高まり、日本人がアラーの名前を書いた横断幕を掲げ、東京でデモを行っているのを知った」
イスラムにおいて、アラーの名前を異教徒がみだりに使うことは許されない。拉致をしたテロ集団がそれを見てよし、とするなど、絶対に有り得ない。
>「人質の家族の気持ちにも共感した」
人質の家族に共感? CNNなどの数秒の映像でしか見ていないが、ずいぶんと派手な雰囲気の家族で、ふんぞりかえっていたように見えたが・・・。
>「(犯人グループは)ファルージャ周辺で民家を転々とし、人質に手錠や目隠しをすることもなかった」
暴力もレイプもない拉致が有り得るだろうか。レイプはともかくとしても、殴る蹴る踏みつける突き飛ばす、という行動が一切なかった・・・。随分とお上品な拉致である。
>「人質は食事をきちんと与えられ、時には豪勢なイラク料理も出された。解放直前にも山盛りのフルーツを振る舞われた」
男性と女性を一緒に泊める民家も有り得ない。ピラミッド型身分階級があるイスラム社会において、下の階層にいけばいくほど、アラブ思想・イスラム教色が強くなる。いくら人質とはいえ、独身女性を含めた外国人を泊めるような家が、点々と存在するわけがない。
特に家の中に若い独身男性がいるとしたら、「見知らぬ外国人の女を泊めていた」と話題になる。ここでいう「泊めていた」とは、「性的関係がある」という意味に繋がる。
ましてや、仕事でもないのに家族以外の男性2人と行動する独身女性となれば、間違いなくその2人とは性的関係があると見なされる。
それにしても、豪勢なイラク料理とフルーツ盛り合わせ・・・。ヒッチハイク旅でもしていたのだろうか。
アメリカ人ジャーナリスト、ダニエル・パール氏は、アフガンで拉致され一瞬にして殺された。
パレスチナに拉致されたパトロール中のイスラエル兵2名は、警察署内で集団暴行を受け、階下に突き落とされた。
イスラエル領内で警備をしていたイスラエル兵3名は、国連兵に扮したヒズボラに誘拐され、それからまもなく殺された。
イラクにおいては、アメリカ兵が集団暴行で殺害され、拉致されたイタリア人男性も殺害された。
イスラムの拉致はこういうことである。
困っている人を助ける優しい私、と自己陶酔し、涙を出さずに泣く女に騙されるな。
アラビア語も出来ず、大学で専門に勉強したこともない「劣化ウラン研究家」に騙されるな。
パレスチナかイラクに行くといって、パレスチナには入国できなかったからイラクを選んだような、金目当てカメラマンに騙されるな。
ちなみに、3人が解放されたというニュースが入った翌日、4月16日付のイスラエル大手新聞イディオットアハロノットには、日本人3人が解放されたという記事は一言も載っていなかった。同日に発表されたイタリア人殺害やビンラディンの最新情報などは載っていたにも関らず・・・。
国内各テレビ局のニュースでも、「3人は解放されました」という一言で終わった。
つまり、分かっているのだろう。
(2004年4月16日 無断転記及び抜粋禁止)